2024年を目途に、新紙幣に変わります。
今回は1万円札と5千円札と千円札の肖像人物と、デザインが刷新されるようですね。
発表された2019年当時はニュース・メディアに加え、ツイッターを中心にSNSなどでもかなりざわめいていましたが、意外と早い段階ですっかり話題がなくなった気がします。
特に新しいお札の肖像人物について、大きな話題になりましたね。
改めて現在の紙幣の肖像人物について、わかりやすく簡単にまとめてみました。
今回は、現在発行中である紙幣の紹介となります。
いったい、どんな人たちなのでしょうか?
現在の1万円札
(出典: フリー百科事典Wikipedia)
まずは一万円札の肖像人物といえば、福沢諭吉(ふくざわゆきち)さんです。
1984年(昭和59年)11月1日から、(2004年に刷新はされたものの)長年に渡って高額紙幣の顔として、堂々たる存在感を持つ方ですね。
慶応義塾大学の創設者として大変有名です。
また誰もが知っている「学問のすすめ」の作者です。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という冒頭の有名な言葉がありますね。
これは1863年のアメリカ南北戦争の最中、リンカーン大統領が行った演説での言葉「人民の、人民による人民のための政治」を引用したと考えられています。
そしてその後に続く「学問のすすめ」の内容としては、
人は生まれながらにして皆平等であるはずなのに、実際は貧富の差があったり、身分の高い低いがあったり、賢い人や愚かな人がいたりする。
それは何故かと考えてみると、しっかり勉強して学問に勤めた人は自然と身分も高くなるし、裕福になるものであり、逆に勉強をしない人は身分が低いままで貧乏になってしまう。
だからしっかり学問に励む必要があるのです。
という内容なのです。
その他にも明治維新に大きくかかわり、自ら渡米し海外のよいところを日本へ伝え、病院や学校、銀行や保険制度についても欧米の考え方を取り組み現在に至っているのです。
福沢諭吉は国内だけではなく、国際的にも知名度が高い文化人です。
まさに日本の高額紙幣の肖像人物として、ふさわしい偉人なのです。
現在の5千円札
(出典: フリー百科事典Wikipedia)
続いて5千円札の樋口一葉(ひぐちいちよう)さんです。
個人的に言わせていただくと・・。
一番好きな色合いとデザインです。
お顔が、綺麗ですよね!
樋口一葉は1872年(明治5年)生まれの日本の小説家です。
樋口一葉は24歳という若さで亡くなっていますが、その短い人生は決して順風満帆ではありませんでした。
幼い頃から利発的だった一葉は、学校の成績もよかったのですが、母親が「女性に学業は不要である」という考えから進学させてもらえませんでした。
それに対し父親は一葉に和歌を習わせ、しばらくして「萩の舎(はぎのや)」という歌塾に入門させたのです。
一方、樋口家の長男である一葉の兄が若くして病気で亡くなり、続いて父親が新事業のために用意した財産を騙し取られ、負債を残したまま亡くなってしまったのです。
まだ17歳だった一葉は大きな荷を背負うことになり、当時婚約者だった男性にも破談にされるという悲しい現実を突きつけられたのです。
「萩の舎」の仲間が小説を出版し、33円という多額の原稿料を得ているのを知った一葉は、自分も小説を書いてお金を稼ごうと決意したのです。
なかなか小説が採用されず、最初は苦難の連続だったのですが、努力を続け「うもれ木」という作品が雑誌に掲載され、そのときの原稿料が11円50銭でしたが、そのうち6円は借金の返済に当てられました。
経済的に苦しい日々が続き、これでは執筆活動もままならないと考えた一葉は、駄菓子などを売る雑貨店を開いたのですが、すぐに近所に同業者が店を開いたために、商売が苦しくなっていったのです。
この雑貨店での経験を元に執筆した「たけくらべ」は、後に樋口一葉の代表作となります。
その後も出版社に原稿料を前借りなどをしながらもなんとか小説家としての活動を続け、森鴎外をはじめとする小説家仲間からもその才能を高く評価されていました。
しかし、当時は治療法がなかった肺結核を患い、24歳にして人生の幕を閉じたのです。
現在の千円札
(出典: フリー百科事典Wikipedia)
そして千円札の肖像となった野口英世(のぐちひでよ)さんです。
野口英世という人物は、1876年(明治9年)貧しい農家に生まれ1歳のときに左手に大火傷を負い、ハンディーキャップを背負いながらも克服し、なんと独学のみで医師となり「細菌学者」として世界的に名声を得るという、とんでもない天才なのです。
貧しい家の生まれにもかかわらず、英世の能力をいち早く見出した恩師の計らいにより、裕福な家庭の子供だけが通える高等小学校(現在の中学校)へ特別に入学することができ、そこで勉学に励んだのです。
その後は医師となり、渡米しロックフェラー医学研究所の研究員として「細菌学」の研究に従事していました。
ノーベル生理学・医学賞の候補として3度ほど名前が上がりましたが、結果的に受賞することないまま、黄熱病にかかってしまい、51歳の若さで亡くなりました。
研究者としての実績は既に承知の通りですが、実はあまり表沙汰にはされていない野口英世の人間味あふれるエピソードがいくつかあるようです。
英世は野口家の貧困に拍車をかけた、酒好きで怠け者の父親の血を受け継いだところがあり、お金のない英世は巧妙な説得力と話術で、恩師や友人たちから再三にわたり借金を重ねていき、「借金の天才」とまで言われていたようです。
それだけ自分有利にもって行くという、いい意味で世渡り上手であったようですが、逆に言うとそれがなければ世界的な名声を得るようにはなれなかったのかもしれません。
父親に似て英世自身も酒好きであったのと、金銭感覚に疎く浪費家であったといいます。
それはそれで人間らしい一面でもありますね。
まとめ
現在の紙幣に描かれる肖像人物たちは、詳しい実績までは知らなくても、名前はとても有名で恐らく誰でも聞いたことがある名前ではないかと思います。
日本の紙幣になる人物は、何かを築き上げた文化人が多いですね。
2024年から新紙幣になる予定ですが、「渋沢栄一」「津田梅子」「北里柴三郎」と決定しています。
あまりにも知名度が少ないために、SNSなどでは評判が良くないようですが、このお三方も素晴らしい実績を残す文化人であります。
しかしやはり、1万円札は「福沢諭吉」というイメージがすごく強いですけどね^^;
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